鉄道省サロハ46形電車は、昭和6年(1931年)から昭和11年(1936年)の間に鉄道省によって18両が製造された車体長20メートル級の2・3等合造車です。まず昭和6年から昭和7年(1932年)にかけて川崎車輌で0番代13両(46001~46013)が製造され、17メートル級2扉クロスシートのモハ32系の半室二等車として横須賀線に投入されました。次に昭和9年(1934年)に大阪地区の東海道線用として日本車両で100番代4両(46100~46103)が製造され、20メートル級2扉クロスシートのモハ42系とともに投入されました。両グループは外見上窓配置が異なっているほか、引き通し線が異なる仕様となっていました。
横須賀線向けに製造された0番代の中でも昭和6年に製造された10両(46001~46010)は魚腹型台枠UF20が、昭和7年に製造された3両(46011~46013)は溝型台枠UF24が使われています。車体も前者はリベットが目立つのに対し、後者では電気溶接が採用されたためリベットの数が少なくなっているという外見上の違いが存在しました。
昭和11年(1936年)には大阪地区の100番代4両が0番代の続番である46014~46017に改番されて100番代の番台区分が消滅したほか、1両(46018)が大阪地区に増備されて、横須賀線向け13両、東海道線(大阪地区)向け5両の総勢18両が揃いました。
横須賀線で使われていた13両は、昭和10年(1935年)から昭和12年(1937年)にかけて便所を取り付ける改造が行われ、全車がサロハ66形に形式変更されました。これによって昭和12年4月時点で本形式は大阪地区の5両が残るのみとなっていましたが、46014~46017の4両が昭和12年8月から9月にかけて片側に運転台を設置してクロハ59形に改造され、46018も昭和12年8月に便所を設置してサロハ66形となって形式消滅しました。
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