両毛鉄道125号形蒸気機関車は、明治21年(1888年)にイギリスのDubs(ダブス)社で3両が製造されて、官設鉄道が輸入したタンク式の蒸気機関車です。輸入後すぐに両毛鉄道に貸し出され、両毛鉄道の建設と開業後の営業用機関車として活躍しました。官設鉄道では125号、127号、129号と附番され、両毛鉄道が借り入れたあとも官設鉄道の番号のままで使われました。当時はまだ官設鉄道も両毛鉄道も車両形式という概念を持っていなかったようですので、ここでは便宜的に「125号形蒸気機関車」としています。
明治中期のタンク式機関車の標準形態となった軸配置「1B1形」の量産機で、官設鉄道が90形蒸気機関車として30両を発注した車両群の中の3両で、のちに鉄道院500形蒸気機関車となる機関車です。
軸配置は「1B1形」。すなわち、まず先輪が1軸あって、2つの動輪が続き、最後に従輪が1軸ある形態です。動輪の大きさは直径1321ミリメートル、石炭積載量は1.14トン、水タンク容量は両側の合計3.86キロリットルでした。
両毛鉄道でしばらく活躍していましたが、明治26年(1893年)に両毛鉄道のオリジナル機関車である両毛鉄道1号形蒸気機関車が輸入されたころには官設鉄道に3両とも返却されたとみられています。
(国鉄80年記念写真集、車両の80年 P11より)