大師電気鉄道/京浜電気鉄道1号形(初代)電車は、京浜急行電鉄の前身にあたる大師電気鉄道が明治32年(1899年)1月21日に開業する際に用いた電車です。
大師電気鉄道は、川崎-大師間1.1マイル(約1.8キロメートル)の区間を結ぶ短い鉄道でしたが、京都、名古屋に次ぐ日本で3番目となる電気鉄道として開業しました。官設鉄道などが採用した1067ミリメートル軌間ではなく、当時としては珍しい1435ミリメートルの標準軌を採用していました。製造所は月島車輌と見られ、並等車として2両が製造されました(吉川ほか,1970)。当時の形式が不明ですので、ここでは便宜的に「1号形電車」としています。
大師電気鉄道は、明治32年4月25日に京浜電気鉄道に社名を変更していますので、大師電気鉄道1号形電車はすぐに京浜電気鉄道1号形電車に改称されました。
形態は、2軸単車で、使用電圧は直流500ボルト。台車はペクハム7.B、全長24尺(約7.2メートル)、全幅7尺5寸(約2.4メートル)、電動機はウォーカー社の25馬力(約18.5キロワット)を2基搭載していました(寺島,1967)。
誕生翌年の明治33年(1900年)、2両とも松井工場で作られた上等・並等合造の車体に乗せ換えられ、京浜電気鉄道7号と8号に改番されました(吉川ほか,1970)。
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