京浜電気鉄道13号形電車は、京浜急行電鉄の前身にあたる京浜電気鉄道が明治35年(1902年)に東京機械製造会社で8両を新製した電車です。13号車~20号車になったと思われます。車番については本サイトとしての推測で、次のように推論したものです。
(吉川ほか,1970)では13~19号車まで7両としていますが、台帳の記載内容と異なり、別資料では8両や9両としているものがあり「どれを信じてよいものやら全く五里霧中である」(すなわち、信頼性が低いことを著者が認めている)としていること、(寺島,1967)は明治35年時点で電動車21両があり、このときの車両の増備が8両であったとしています。さらに明治34年時点で13両が存在し、うち1両が21号車に改番されていることなどと突き合わせると、ここでの増備車は8両であり、13号(2代目)~20号となったとするのが最も合理的だと考えました。当時の車両形式が不明のため、ここでは便宜的に「13号形電車」としています。
形態は2軸単車で、使用電圧は直流500ボルト。台車はペクハム7B、電動機は6両がゼネラルエレクトリック社製の25馬力(約18.5キロワット)のものを2基、2両がアルゲマイネ社製の35馬力(26キロワット)のものを2基搭載していました(寺島,1967)。車内は上等・並等の合造となっていました。
京浜電気鉄道では明治38年(1905年)には上等の営業が廃止されたため、車内を並等のみ変更する改造が施されています。そして大正14年(1925年)5月に13号、14号、18号が海岸電気軌道に譲渡されて同社の7号~9号になったと推測されています(吉川,1968)。残り5両は大正15年(1926年)に廃車されたとみられます。
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